これまで自分が使ってきたエレキギターのリプレイスメントピックアップをレビューします。本記事ではハムバッカーのみを取り上げます。全てのピックアップに共通することですが、取り付けるギターによって音色はガラっと変わりますので、あくまで本記事は参考程度にとどめてください。
新しい機種を試したら常に更新していきます。
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DIMARZIO ( ディマジオ ) / DP100 Super Distortion
カート・コバーン仕様に改造されたFender Japanのジャガーのリアに搭載してました。グランジのあのぶっ潰れた音を出したい人は迷わず乗せましょう(笑)。分厚い中域、重厚な低音は換えが効かない魅力的な音です。
そしてSuper Distortionは長く多くの人に愛用されているだけあって結構、柔軟性の高さも持っています。クランチでコードを鳴らした時に程よかったり、リードを弾くときにはガッツリと中域がでてくれるのでフレーズを弾きやすかったり。ロングセラーになる商品にはしっかりとした理由があると教えてくれました。
マグネットはセラミックが使われているようです。心なしかアルニコで作られたものより明るいというか、ハッキリした音に聴こえます。
クリーントーン?これを使う人はクリーントーンを求めてないでしょう(笑)。クリーントーンを出したいときにはギター側のボリュームを絞る必要があると思います。
GIBSON ( ギブソン ) / 57Classic
GibsonのES-335のフロントとリアに搭載していました。ワックスポッティング(蝋付け)されていてハウリング対策がされているので、本物のPAFとは厳密には異なりますがハウリングを気にせずにヴィンテージ系の音を出せる優秀なピックアップです。搭載するピックアップに悩んでるのでしたら安心してオススメできます。
クリーン、クランチともに非常に素直で出音です。癖のないサウンドと言えばいいのでしょうか。筆者はこの57Classicで出すクリーンとクランチが大好きです。ワックスポッティングされていますのでハイゲインも出せますが、ハードロックくらいまででしょうかね。メタル、エモ・スクリーモのようなハイゲインも出せるんですけど、それならばもっと向いてるピックアップがあります。
57Classicはアルニコ2マグネットが使われていて、個人的には甘い音がするように感じます。特にフロントでジャズトーンを出したときは絶品でした。クリーンが綺麗なハムバッカーを探している人にオススメでしたいです。
リアで出す音もどこか温い音がします。特にクランチくらいでコードをかき鳴らすと本当に気持ちいいです。この57Classicとの出会いで筆者はリアに搭載するハムバッカーはアルニコ2マグネットのものを好むようになりました。
GIBSON ( ギブソン ) / BurstBucker Pro
Gibsonのレスポール・スタンダードのフロントとリアに搭載して使用していました。他のBurstBuckerと異なりアルニコ5マグネットが使用されています。またワックスポッティングもされていますのでハウリングを気にせずに大きな音を出せます。
筆者の感想ではとにかくワイルドな出音でした。BurstBuckerというよりは490Rや490Tのほうのキャラクターに近いとは思いました。平均点は高いのですが突出した個性がなくて、人によっては中途半端に感じるかもしれませんね。
GIBSON ( ギブソン ) / Dirty Fingers
GibsonのSGのリアに搭載していました。1970年代のものではなく2000年以降のものですが。とにかくガッツリ歪ませたい人にオススメしたいです。出力はGIbsonのピックアップの中では最強ですよね。ピッキングハーモニックスはガンガン出せますし、歪ませてブリッジミュートやリフを決めまくるのには最高です。
音はハイエンド、ローエンドともに狭く、ミッドによっている印象ですね。他社製品でしたらDimarzioのDP100 Super Distiortionに近い傾向です。Super Distiortionから「ちょっと傾向を変えたいな…」という時の選択肢の1つにいいと思います。
クリーントーンは期待しないでください(笑)。
Seymour Duncan(セイモアダンカン) /SH-1 59Model
マイベストハムバッカー。全てのハムバッカーの基準にしてもいいと思うくらい。ハムバッカーのお手本のような音がでます。僕が愛用しているGibsonのレスポール・スタンダードと、ESPのMA250FRのフロントに搭載していて何年も愛用してますね。前述のGibson 57Classicの対抗馬じゃないでしょうか。このSH-1も全ての方に安心してオススメできるピックアップの1つです。
このSH-1はGibson 57Classicと同様にワックスポッティングされていて、ハウリング対策がされています。この時点で本物のPAFと構造は厳密には異なりますが、ヴィンテージ系の音からモダンな音まで楽に対応可能な柔軟性を持っています。
搭載するギターの音をそのまま出してくれるような素直さがあります。僕のレスポールではシルクのような優しいクリーントーンが出ます。何物にも代え難い美しい音がでるので、気分的にはスポーツ漫画の必殺技ですね。このSH-1もクリーンが綺麗なハムバッカーを探している人にオススメでしたいです。
GibsonのSGにフロントとリアをセットで搭載していましたがパリっと枯れた音を楽しむことができました。レスポールでは艶やかな音だったのに搭載するギターでキャラクターが大きく変わることをを教えてくれました。
4芯タイプもございますので、タップしたい人はそちらを選択してください。筆者は4芯タイプにメタルカバーを取り付けて使用しています。筆者はフロントのハムバッカーにカバーをつけたいこだわりがあります(笑)。
ただ、本当に素直な出音なのでショボいギターに登載しても、あまり良い音は望めないでしょう。これは全てのピックアップに共通することではありますが。
Seymour Duncan(セイモアダンカン) /APH-1 Alnico II Pro
Gibsonのレスポール・カスタムにフロントとリアに登載して使っていました。Guns N’ RosesのSlashの音を狙っている方は気になってるのではないのでしょうか。前述の57ClassicやSH-1とはキャラクターが異なりますが、これもヴィンテージ系の音からモダンな音まで出せる対応力がありますね。
ニュアンス的にはシングルコイルに近いものを感じることがありました。おそらく、出力が低いからなのでしょうがピッキング、Volの反応が素直に音に反映されます。ハムバッカーだとニュアンスが出しづらいと勘違いしていた筆者はAPH-1との出会いはエポックメイキングでした。
筆者はフロントだけコイルタップできるようにしてました。コイルタップしてクリーン系のカッティングに使うと案外、良い音がしました。
Seymour Duncan(セイモアダンカン) /APH-2 Slash
旧Slashモデルですね。GibsonのES-335のフロントとリアに搭載しています。Gibsonのレスポール・スタンダードのリアにも搭載しています。通常のAPH-1よりも若干、出力が上がっていますがヴィンテージ系の範疇に収まっている点が凄く気に入ってます。もちろんSlashモデルなのでタフなロックな音もバッチリです。
前述のAPH-1の暖かいとうか、ウエットな感触を維持しながらちょっと暴れるようにした感じが程よいです。コショウを1つまみいれた味に締まりがでた感じと例えればいいのでしょうか。
APH-2のフロントで出す音は結構、クールな音で気に入ってます。冷たいというわけではなく、オシャレな感じというのでしょうか。アイスクリームのような氷菓のような音で、前述のSH-1と使い分けてます。クリーンが綺麗なハムバッカーを探している人にも使っていただきたいですね。
リアではクランチとディストーションの境目がものすごく気持ち良いです。白玉でコードを弾けば音が前に飛んでいくのでバンド・サウンドで凄く使いやすいです。
お友達たちとsyrup16gのSonic Disorderをカバーした際にAPH-2 Slashを搭載したGibsonのES-335を使ってます。こちらフロント、センター、リア全てのポジションで使ってます。ピックアップ選びの参考になれば幸いです
レスポール・スタンダードのリアにも搭載してますが似たような傾向な弾いていて非常に気持ちいいいです。
ポケモンSVの曲を耳コピした際にAPH-2を搭載したレスポール・スタンダードで録音しました。リフ、リード、クリーンのアルペジオ、全てのパートで使用しています。全部、APH-2のブリッジの音です。参考になれば幸いです。