ART-SCHOOL『MISS WORLD』は邦楽グランジの最高峰

音楽

ART-SCHOOLが2001年9月7日に発売したシングル『MISS WORLD』のレビューをしたいと思います。インディー時代の唯一のシングルで4曲入り(ボーナストラックあり)。「至高」と言っても過言ではなく名曲揃いの名盤で今でもライブで演奏される代表曲が揃えられています。もし「はじめてART-SCHOOLを聞くならどれがいい?」と聞かれたら、筆者はシングル『MISS WORLD』を推薦します。

本シングルに収録されているのは

1.MISS WORLD
2.1965
3.ウィノナライダーアンドロイド
4.ステート オブ グレース

捨て曲無しです!いきなり強気に出たと思いますが(笑)。最初から最後まで通して楽しんでいただきたいです。収録時間も19分ですのであまりダレず、質の良い30分ドラマの神回を見た後のような満足感を得ることができる名盤です。

静と動の対比が光る「MISS WORLD」

「MISS WORLD」は静と動の対比がはっきりしていて、両者の対比がとても気持ち良く「これぞグランジ」という名曲です。繊細さと激しさのコントラストに感動したのはNIRVANAのSmells Like Teen Spirit以来でした。

歌詞も凄くど直球で思春期のティーンの脆さがよくでています。聴く度に筆者自身の思春期をよく思い出します。恋に恋しているのかも分からない時期、その時の彼女を強く求めたっていうありがちな想い出ですが。この曲を聴くときっと皆さんもティーンの時に戻れるでしょう。

ライブでも登場率が高く、実際にアルバム『luminous』に伴うツアーファイナルでも演奏されていました。ライブではテンポが速くなるのですが筆者はCDのスローのほうが好きです。

極限まで削ぎ落とされた「1965」

「1965」は無駄な音が全て排除されたミニマルな美しさが詰まった曲で、筆者がART-SCHOOLで一番好きな曲です。ドラムとベースが淡々と刻むビートを、必要最小限の音で構築されたギターが彩ります。そして魂を吐き出すような木下理樹さんのボーカルとのマッチングが素晴らしいです。

ギタリスト目線だとものすごく裸な音で驚かされました!ほとんどが歪んでないクリーントーンで構成されていますが、残響系のエフェクトがほとんど掛かってないんです。ただギターをアンプに繋いだだけの音。

余談ではありますがギタリストの筆者はこの「1965」と、Red Hot Chili Peppersのアルバム『Califronicaiton』の影響で音を全く詰め込まないスタイルになりました。

ビートが心地よい「ウィノナライダーアンドロイド」

こちらは「MISS WORLD」と同様に静と動の対比がはっきりした名曲で、こちらはダークさは少なく明るい曲調です。リズム隊のビートが激しくグイグイ、「前に!前に!」と押し出してくれます。

この曲でもライブでの登場率がとても高いです。ライブではテンポが2〜3割ほど速くなります。筆者はライブ版の速さが結構、好みです。

繊細さが光る「ステート オブ グレース」

「ステート オブ グレース」はミドルテンポで凄く繊細な音で構築されています。ギターの大山純さんのツボを押さえたシンプルなフレーズが本当に世界観を作りだしていて良いです。

至高の名作

いかがでしたでしょうか?全曲レビューなんて珍しいことをやってしまいましたが。色々な人に読んでもらえるようでしたら、シングルに収録されていたボーナストラックの感想も含めて加筆しようと思います。

ART-SCHOOL(発売当時のメンバー)

木下理樹(ボーカル・ギター)
大山純(ギター)※現 ストレイテナー
中尾憲太郎(ベース)※現 ストレイテナー
櫻井雄一(ドラム)※現 ランクヘッド

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