榎本温子「思考が運命になる」声優/ナレーターとして夢を叶えていくために インタビュー後編

インタビュー

声優/ナレーターとして活躍されてる榎本温子さんに「声優という仕事の魅力」をテーマにお話いただきました。前後編の全2回。後編では「ナレーションへの開眼」「複数の軸を持つ大切さ」「夢の叶え方」をお話しいただきました。声優という仕事の魅力を聞くために本インタビューを申し込みましたが、榎本さんから生きていくためのヒントもいただきました。

榎本温子「声優業界は同じことをしていても先輩達に追いつけない」インタビュー前編

ワクワクを取り戻すためにナレーションの世界へ

ーー前編に続きよろしくお願いします。2010年代からナレーションの仕事に取り組まれたきっかけを教えてください。

榎本:アニメの仕事って30歳ぐらいになるとチャンスが減っていくんですよね。オーディションの回数も確実に減ります。そうなると「何か新しい武器を見つけなくちゃなぁ…」って私も考え始めるわけです。

ちょうどその時期に元夫と付き合っていて、彼は仕事の1つ1つに凄く嬉しそうに取り組んでいたんです。「初めてCDドラマをやる!楽しい!」って。キャリアを重ねていく中で私が失ってしまったワクワクする気持ちを持っていたんですよね。だから私ももう一度、ワクワクを取り戻すために新しいことにチャレンジしようと考えました。

ーーなるほど!だからナレーションに取り組まれたんですね。

​​榎本:はい!業界内で軸足を変えてみようと思って直ぐに動き出しました。まずはスマートフォン向けにNOTTVで配信されていた「ファミ通TV」で天の声を担当したんですけど、それが凄く楽しくて!同じエンタメだけどアニメとはは違う人達と話すのが凄く新鮮でした。

横のつながりも広がりましたしね。その後、フリーになってファミ通TVで一緒に仕事をした方にX(Twitter)でDMを送って挨拶をしたら、麻雀番組「トップ目とったんで!」のナレーションの仕事に繋げることができたり!

ーーDMで仕事ゲットって…!温子さんの行動力凄い(笑)。

榎本:その後に「アベプラ(ABEMA Prime)」のお仕事をもらってキャリア変更に成功しました。「アベプラ」は私の人生観を確実に変えましたね。番組では様々な社会問題に触れることができ、自分の知らないことの多さを実感しました。振り返れば私はそれまで声優という狭い社会しか知らなかったです。

ーー軸足を変えたことでそれまでの人生を俯瞰で見ることができるようになったんですね。

榎本:同時にニュースとアニメの類似性も発見しました。「アベプラ」で報道されるものってニュースになるくらいの出来事、つまりドラマなんですよ。一方でアニメってフィクションだけどドラマチックな部分がストーリーになるわけじゃないですか。

ーーどちらもドラマチックな一瞬を切り抜いてるわけですものね。

アニメは足し算、ナレーション引き算

榎本:今では私はナレーションがメインなので。アフレコの時は「アニメって難しいな…」って言いながらやってます。(笑)

ーーえぇえー!キャリアのスタート、声優じゃないですか(笑)。

榎本:だって、アニメと真逆なんですよ!ナレーションって声や感情を加工しなければ加工しないほど情報が伝わるんですよ。

ーーなんかわかる気がします。もしも先導エミちゃんの声で「事件が起きました」とか「〇〇の名物は△△」ですって言われても「えっ!?」ってなって頭に入ってこないと思います。

榎本:でしょ?正確に伝えるために色々な感情を抜いていく必要があるんです。だからアニメは足し算、ナレーション引き算とも捉えることができます。

ーーなるほど、アニメはデコレーションされた声だったんですね。ナレーションの技術を磨く上で参考にされた方はいらっしゃいましたか?

榎本:山崎たくみさんにお世話になりました。昔から仲良くしていただいていて。教えるのが上手だし、技術の言語化が優れている方なんです。「これだけが伝わればOKって一箇所を探してね」って教わって。甘えられるので沢山、技術面の指導をしていただきました(笑)。報道の仕事は長く取り組み続けたいと思っています。

ナレーションで引き算を覚えたことによって、アフレコのアプローチが格段によくなりました。本当に大事な箇所に効果的に感情を込めることができるようになりました。でもアフレコはやっぱり難しい。(笑)

ーーとことん音楽のアプローチにそっくりですね(笑)。音楽でも作曲の際に「引き算の美学」というものがあるんですよ。楽曲の中に音符を詰め込むのではなくて、削ぎ落として本当に伝えたい音だけに絞るとより曲の完成度があがるんですよね。

柱を複数作ることで相乗効果を生み出す

ーー本日はお話を聞かせていただきありがとうございます。声優、そしてナレーションのお仕事の魅力がよくわかりました。温子さん、ご自身のキャリアの積み重ね方がユニークですよね。現状を把握して、常に新しい武器を探していらっしゃる。

榎本:キャリア初期から常に変化を意識していました。人生、何があってもおかしくはないのでこれからも面白いことに誘われたら乗っちゃうかもしれないけど(笑)。これから海外で暮らす未来もあったりして?!何にしろ安定した労働環境がある未来に行きたいですね。

ーー安定は大事ですよね。Findersさんの方の記事でも色々と労働環境にはついてはお話いただきましたものね…

榎本:今の声優/ナレーションの仕事と並行させながら柱を複数、作っていきたいです。YouTubeで自分のチャンネルを持っていることの強みを感じることが増えました。動画作成、そして配信にも力を入れていきます。

ーーそういえばYouTubeでサイバーフォーミュラ公式アンバサダーに就任されたのにはびっくりしましたよ!

榎本:あれは本当に奇跡でしたよね。YouTubeでサイバーフォーミュラ愛を話していたらサンライズさんからオファーをいただけるという。TwitterのDMに連絡がきた時はびっくりしました(笑)。そこからゴー☆ジャスさんと出会って素晴らしい縁も生まれました。

私はYouTubeという違う軸も持ったことで仕事の選択肢が増えました。「東方LostWord」の「カナシミのデグチ」の歌唱のオファーいただけたり。「副業している=声優の仕事がうまくいってない」って言われるような時期もありましたけど、今は声優をやりながら違う肩書を持っている人も結構、いらっしゃいますよね。

ーーそれぞれの柱が相乗効果を生み出してくれるわけですね。

榎本:今は副業が解禁されている会社も多いですから、読者の皆さんも違う柱を模索するのもいいことだと思います。今は激動の時代ですからリスクの分散を考えてもいいと思うんですよね。これからも声優の労働環境については様々な場でお話していきたいと思います。

もちろん、声優/ナレーターとしても「榎本じゃないと」と言われるスタジオワークをできるように頑張っていきます!

思考が運命になる

ーー最後に1つ聞かせてください。温子さんがここまで夢を叶え続けることができたら秘訣は何ですか?

榎本:マザーテレサの「思考に気をつけなさい」ってあるじゃないですか。私、あれめっちゃ好きで

ーー確か…

「思考に気をつけなさい それはいつか言葉になるから」
「言葉に気をつけなさい それはいつか行動になるから」
「行動に気をつけなさい それはいつか習慣になるから」
「習慣に気をつけなさい それはいつか性格になるから」
「性格に気をつけなさい それはいつか運命になるから」

でしたよね?

榎本:それそれ!これって究極は「思考」が「運命」になることだと思うんですよ。だから自分が実現したいことは直ぐに言葉に出して、叶えるために行動に移すようにしています。そうすると願いが実現していっちゃうんですよ!

ーー(沈黙)…確かに…。僕も温子さんにインタビューをしてお話を聞いてみたいと思って、行動したら夢は叶いましたね。インタビューで聞かせていただいたものはワニブックスさんや、Findersさんで発表させていただける機会に恵まれました。

榎本:ほら!私も一緒なんです⭐︎

ーーありがとうございました。インタビューのはずが最後は僕が元気になってしまいました(笑)。

榎本温子(えのもとあつこ)

声優/ナレーター。アニメ『彼氏彼女の事情』の主役・宮沢雪野役で声優デビュー。『ふたりはプリキュア Splash☆Star』『キボウノチカラ~オトナプリキュア‘23~ 』(美翔舞役 )、『カードファイト!! ヴァンガード』(先導エミ役)ほか多数に出演。Abema Primeのメインナレーターも務める。
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