月森楓「社会人と副業を両立できてるからメンタルコントロールができる」

インタビュー

令和の時代になり、副業を解禁する企業も増えてきました。副業に興味を持たれている方も多いのではないでしょうか?ただ副業をするにしても心構えや、会社との折り合いの付け方が分からないですよね…?

そこで社会人として仕事に励みながら、副業で声優・アイドルとしても活躍されている月森楓さんにお話しを聞きました。平日は金融関係の企業で正社員として働き、土・日・祝は声優・アイドルとして活躍する月森楓さんが持つエピソードは社会人と副業を両立させるためのヒントの宝庫でした。

大学3年生時に一度、声優になる夢を諦める

ーー本日はお時間をいただきありがとうございました。今日は「社会人の副業」をテーマに色々とお話しを聞かせてください。月森さんは普段は社会人として金融関係の企業で正社員として働きながら、土・日・祝は副業で声優・アイドルとして活躍されていますよね。アイドルと社会人になられたのはどちらが先でしたか?

月森:社会人が先でした。大学を卒業した後に就職しました。

ーー社会人になられてからだったんですね。大学時代は何か芸能活動はされてましたか?

月森:大学1年〜3年までアルバイトしながら声優になるための養成所に通ってました。

ーー大学時代はダブルスクール+アルバイトをされていたんですね。学業との両立は中々、大変だったでしょう?

月森:今よりも忙しかったかもしれません。家庭が厳し目で優・良・可の中で可を取っちゃだめだったんですよ。

ーーキルラキルの皐月お嬢様のお母さんの様に厳しそうですね(笑)。声優になるために養成所に通われてましたが、就職する選択をした経緯を教えてください。

月森:養成所に通い始めて3年目、自分が入りたかった事務所の方に審査してもらえました。だけど望む結果が出なくて一度、声優になる夢を諦めました。それで大学4年時に就職活動を開始して、現在の会社に入社しました。

ーー声優になる夢は簡単に諦められましたか?

月森:あんまり諦められなくて…。それこそ大学4年から社会人1年目までは大好きだったアニメを見たり聴いたりするのもできなくなるくらい辛かったです。

だけどドラマ『花咲舞は黙ってない』『半沢直樹』にハマって、銀行関係の会社に就職するという夢ができて、叶えることができてかなり救われました。声優の夢を一度、諦めた時は世界が真っ暗だったのですが、今は新たに夢を持てた場所のど真ん中で働けていることが嬉しいです。

社会人2年目にもう一度夢に再挑戦する

ーーでも今はアニメに触れることができますよね?

月森:養成所で同期だった友達が頑張っている姿を通してアニメを楽しめるようになりました。その子は100回くらいオーディションを受けてやっと大きな役を掴み取ってました。凄く頑張ってキラキラしていましたし、大きなステージに立っていく姿をみて元気づけられました。最初の1年間くらいは頑張っている友達を応援してるだけで楽しかったんですけどある日、いきなり来ました。「凄く悔しいなぁ…」って(笑)。

一同:爆笑(笑)。

月森:それで大学時代とは違う養成所にクリスマスの日に応募しました(笑)。宣材写真を持ってなかったからクリスマスツリーの前で撮影したものを送りました。「何かになろう」と決めていたわけではなく、「何か夢中になれるものを探そう」って軽い気持ちでしたが。

ーークリスマスといえば何かロマンチックなことが起きそうな気がしますけど(笑)。応募された時はもう社会人でしたよね。働きながら学ぶ状況は苦しくなかったですか?

月森:社会人2年目になりつつある時期でしたので状況も落ち着いてきて色々とチャレンジしたい意欲も湧いてきました。これがもしも社会人1年目でしたら覚えることが多いから余裕はなかったと思います。会社は定時に退社できるのでありがたいです。

ーーもしも副業に取り組まれたり、習い事をされたい方は社会人1年目はやめておいたほうが良さそうですね

副業での声優・アイドル活動を会社から許可してもらう

月森:養成所に通っていた時にプレゼンテーションの機会をいただいて、審査員席にいたアイドル事務所の社長に誘われて現在の「月森楓」の活動に繋がっていきます。そこからユニットを2つやって、ソロ活動をして、現在のフリーランスでの活動に繋がっていきます。

ーーただアイドル活動がスタートした時はバリバリの会社員だったわけですよね?

月森:そうですね(笑)。アイドル活動を開始する前に部長にちゃんと相談しました。

ーー部長も最初、驚いたでしょう?

月森:「えっ!?」って感じでした(笑)。「何か人前に出ることをしてみてもいいんじゃないかな…」って思っていて、私の中には会社を辞める選択肢もありました。でも部長が副業としてアイドル活動を行う提案をしてくださいました。この時も色々と印象的なことがあったんですよ!

ーーえぇえ、何があったんですか??

月森:私の進退を決めるためのミーティングの予定がありましたが、私は体調を崩しちゃってお休みを頂いていました。休み明けに出社したら部長が「副業としてアイドル活動を行える方向で人事部に話を通しておいた!」って。

ーー頼りGUYじゃないですか(笑)。

月森:部長が本当に頑張ってくれました。人事部に掛け合えるように新聞や雑誌の兼業・副業関係の記事を集めてくださってました。会社の規則を確認したところ「許可なしで兼業、副業をしてはならない」となっていました。「じゃあ許可を出せばいいんじゃないか」って方向に持っていけるように頑張ってくれました。今は会社から「月森楓」として活動するための兼業許可書を発行してもらって年に一度、2月に更新しています。アイドルとして所属する事務所にもしっかりと契約書を作ってもらって、問題がないか会社で確認してもらいました

ーー会社がリーガルチェックしてくれるのは心強いですよね。事前に会社に確認を取るのは良いことですよね。会社によっては規定で複業を禁止しているので、隠しいることがバレたら大変ですしね

社会人と副業を両立させるための心構え

ーー社会人と副業を両立させるための心構えについてきかせてください。

月森:まずは常に元気に返事、笑顔でいることですね。会社で副業の方の疲れを見せてしまうのはよくないですよね。歓送迎会などの会社の大切な場面にはできるだけ顔を出すようにしています。

ーー疲れを見せないために体調管理は気遣われていますか?

月森:スケジュールの組み方に気をつけるようにしています。今はフリーランスなので自分でスケジュールを組むことができるので、体調管理もしやすいです。それに2020年以降はテレワークも認めていただけてますので、積極的に活用して体調管理をしやすくなりました。自分の趣味の時間もちゃんと取れています。田村ゆかりさんや、桃井はるこさんのライブを観に行ったり(笑)。

ーーテレワークだと電車の移動時間も節約できてよいですよね。

月森:他にもアイドル活動は土・日・祝限定ということもあり、無理なく社会人と両立できています。

副業があるとメンタルコントロールしやすくなる

ーー社会人と副業を両立させていく上でメンタル面に影響がでることはありますか?

月森:私の場合は2つ合ったほうがメンタル面には良いですね。会社で失敗をしてちょっとダウンな気持ちになっても、アイドル活動の打ち合わせで気分転換できますし。その逆も然りでアイドル活動でちょっと落ち込んでも、会社で働くことで元気になれたり。

ーー選択肢が増えることにそのような効果があるのですね。今はフリーランスで活動されていますがその場合は責任を全て自分自身で負うことになりますよね。

月森:そうですね新しい衣装を作るにしても、何かを企画するにしても全て自分の責任になります。ただ私は自分が責任を負う方が自由に動けて楽です。もしも人にお金をだしてもらうと「結果をださなきゃ…!」って焦ってしまう時もあると思うんですよね。自分が責任を負える範囲でしたら何でも好きなことができますし、それを皆さんに楽しんでもらえたらとても嬉しいです。

ーー責任のある自由ですね。

今の時代だから社会人と副業を両立できた

ーー本日は色々とお話しを聞かせていただきありがとうございました。

月森:こちらこそありがとうございました。振り返れば私、2020年以降の今の時代になってなかったらアイドル活動を続けてなかったかもしれません。ユニットを2つやってアイドル活動を「やりきった!」と思っていた時に事務所の方が「1年でいいからソロをやってみよう」って提案してくださいました。それが2020年の3月でした。

ーーちょうど世間が慌ただしくなった時期でしたよね。

月森:最初はCDのリリースだけしたらやめようと思っていました。ところが一緒に作ったMV経由で海外からのファンの方が凄く増えたんですよね!それに2020年からは無観客の配信ライブをされる方が増えましたよね。見えないところにファンが居てくれるのが嬉しくて「じゃぁみんなとちゃんと会える日まで続けたい!」ってなりました。

ーー世界中の皆さんが落ち込んでいる時に新たなモチベーションができたのですね。

月森:その後、活動の幅を広げるためにフリーランスになったり色々とありました。衣装、イラスト、そしてステキな作曲家の皆様に出会えたり。この今の時代だからこそ出会えました。

ーー世間で何かがあったとしても悪いことばかりじゃないということですよね。

月森:皆さんに私を見つけてもらえて本当に嬉しいです。

ーーでは本記事を読まれた方も是非、月森さんのライブに遊びにいってもらいたいですね。

月森:是非ともよろしくお願いします(笑)。

月森楓(つきもり かえで)
ニックネームは「かえぴょん」。アイドル活動と並行して平日はバリバリの金融系OLとして社会に潜み、休日はアイドルと双方とも徹底したプロフェッショナル精神で活動両立する異色のアイドル。

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編集後記

僕のHPで初のインタビュー記事はいかがでしたでしょか?月森さんはとても知性が高く、前向きな方でしたのでお話しを聞かせていただいて凄く元気になりました。社会人と、声優・アイドルの両立されている方は非常に珍しのでこれからの活躍をとても期待しています。

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