プロ野球の贔屓起用は何故、起きるのか?

野球

プロ野球ファンの間で語られる「贔屓起用」について考えられる事を書きたいと思います。皆様もSNSや、スポーツニュースを見ていると「○○監督の□□選手の贔屓起用が酷い…」とボヤかれることはありませんか?何故、その様な起用が起きるか解説します。

ドラフトの順位で序列は決められている

はじめに断言しますが、プロ野球選手は公平に起用されません。いきなり「とんでもないことを言ってる…」と思われるでしょうが、ちょっと考えてみてください。ドラフトの際は能力が高いとされる選手から上位で指名されていきますよね?仮に以下の二人の内野手のどちらかを1軍でチャンスを与えるとします。

A選手
ドラフト2位 プロ入り1年目 大学時代には六大学No1遊撃手の評価を得る

B選手
ドラフト7位 プロ入り1年目 社会人からやってきた遊撃手

この場合でしたらドラフトでの指名が上位だったらA選手にチャンスが与えられる可能性が非常に高いです。それはドラフト上位で入団する選手の方が与えられる出場機会が多いからです。入団の時点で序列がすでにつけられているからです。

余談ではありますがドラフトでプロ野球の世界に入ってくる選手たちについては漫画のドラフトキングが非常に参考になりました。他にもグラゼニも結構、参考になりました。

ドラフトキング 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) Kindle版

グラゼニ(1) (モーニングコミックス) Kindle版

ドラフトの順位は入団拒否の理由になり得る

ドラフトの順位は指名された選手が入団を拒否する理由になり得ます。何故ならドラフト上位には十分な出場機会数が与えられますし、失敗しても簡単には戦力外にはされません(よっぽど能力が低かったり、酷い怪我をしたり、素行に問題がない限り)。指名されたチームで結果が出なかったとしてもトレードを活用して新しい活躍の場を探してもらうこともできます。

逆にドラフト下位の選手は必然的に上位の選手よりも出場機会は減りますし、失敗し続ければ簡単に戦力外になってしまいます。若い選手ならば入団を拒否して大学なり、社会人に進んで自身の評価を高めてから改めてドラフトで指名してもらったほうが良いケースもあります。

活躍すればドラフト下位の選手も序列は上がる

もちろん、プロ入り後に大活躍すればドラフト下位だった選手も序列があがります。東京ヤクルトスワローズに2019年にドラフト5位で入団した長岡秀樹選手は2022年の活躍をうけて

①年俸爆増!
②背番号は一桁の7番に変更!


と分かりやすく序列がアップしました。一度、序列が上がればちょっと結果がでなくても辛抱強くつかってもらえます。与えてもらえる打数が爆発的に増加します。

入団時に特例で序列を上げる場合も

ドラフトの指名順位が低かったとしても入団時に特例で序列を上げる場合もあります。分かりやすい例だと元千葉ロッテマリーンズの清田育宏選手です。ドラフト時、同年齢の右打ち外野手の荻野貴司選手が1位指名を受けたこともあって、清田選手は入団をためらっていました。しかし球団側からドラフト1位と同等の年俸と、背番号1を用意されたことで入団に至りました。通常のドラフト4位とは異なる序列で入団したであろうことがよく分かる事例です。

結果を出せないと序列が下がる…

決められた打席数、登板数までに十分な結果をだせないとその選手の序列は下げられてしまって優先的に起用してもらえなくなります…。「露骨に1軍での登板機会が減った…」という選手は序列を下げられたと認識して間違いないでしょう。トレードに出されやすくもなります。

監督の好む戦術・戦略によっても序列が変わる

監督が好む戦術・戦略によっても序列が変わります。例えば機動力を重視したい監督ならば相対的に走力が高い選手を優先して起用するでしょう。逆に長打力を重視する監督ならば、アベレージタイプの選手よりもパワーヒッターの方が評価が高くなります。長年、スタメンだった選手も監督の戦術・戦略によっては重宝されなくなり、トレードされることも往々にあります。

責任を負う監督は自身が納得できる選手を使いたい

それでも「○○監督の□□選手の贔屓起用が酷い…」という気持ちが拭えない方もいらっしゃるかと思います。何故、そのような現象が起きるかというと監督は全ての勝ち負けの責任を負わなければならないからです。信頼できるスタッフからの助言ならまだしも、会ったこともない人間の言うことを聞いて負けてしまったら納得はできないでしょう。監督が客観的に正しい起用よりも、自身が納得できる方を選んでしまうことは往々にあります。

選手の序列決めには編成も介入しています

選手の序列は監督の一存だけでは決定しません。翌年以降の補強方針も含めて編成部との話し合いで決められています。球団によっては編成部が一軍と二軍の入れ替えに介入してくる場合もあります(FAXとかでね)。原辰徳 全権監督のように全てを任されていたのは稀有な例でしょう。

結論 プロ野球は贔屓起用が当たり前

いかがでしたでしょうか?結論、プロ野球では贔屓起用が当たり前です。また何か野球ネタがあったら書きたいと思います。バントとか、二番打者の起用方法とか野球ネタはたっぷりありますから…

タイトルとURLをコピーしました