プロ野球の「左右病」を解説します

野球

プロ野球ファンの間で語られる「左右病」というスラングをご存知でしょうか?簡単に言ってしまえば「相手が右ピッチャーならこちらは左バッター…」「相手が左ピッチャーならこちらは右バッター…」と、投打の左右に固執した人選を行なってしまう監督へのボヤキとして使われます。皆様もTwitterで「◯◯監督の左右病は…」というボヤキを見たことがあるのではないでしょうか?

何故、左右を意識した起用をされるのか?

野球では対角線(例 右打者は左投手に対して)が有利とされているので投打の左右を意識された起用がされます。右打者からすると左投手は球の出処が見やすく、外側に逃げていくスライダー系を封じることができて相手に対応しやすくなります。

プレイヤーによっては「極端に左打者を苦手とする右投手」のようなケースも存在します。その様な状況では投打の左右を意識することもチームの勝率を高めるために必要でしょう。

統計的に右打者は右投手よりも左投手を相手にするほうが約1%、左打者は左投手よりも右投手を相手にするよりも約3%打率が向上すると言われています。1990年に新潮文庫より出版されて著 玉木正之『プロ野球大辞典』のP365に記載されてましたが元となった統計データは記載されてなかったのですが信憑性に欠けることも付け加えておきます…。

メジャーでも左右を意識した起用はある

メジャーリーグ(MLB)でも投打の左右を意識した起用はされていて「プラトーンシステム」と呼ばれています。近年ではNYヤンキースを指揮したジラルディ監督が積極的にプラトーンシステムを採用していました。洋の東西を問わず左右を意識した起用はあるということです。

このプラトーンシステムは投打の左右以外にも球場の形態によって起用する選手が変わります。例えば狭い球場ならば長打力を期待できるバッターを起用して、広い球場で本塁打が望めない場合は俊足巧打の選手を起用するなど。非常に合理的ですね。

リードしている試合の終盤に守備力が優れた選手へと交代させることもプラトーンシステムに含まれます。これはNPBでも「守備固め」として広く普及していますよね。故 近藤貞雄さんが中日ドラゴンズを指揮されていた際は試合前半を攻撃力重視、後半を守備力重視のオーダーで切り替えて「アメフト野球」とも称されていました。

余談ではありますが筆者は落合博満さんが中日ドラゴンズを指揮されていた時に活躍された英智さんが本当に大好きでした。抜群の守備能力と、俊敏な脚力、そしてそして強肩での送球に魅了されました。

プレイヤーは準備しやすくなる

「右打者ならば左投手に対して使われる」と役割を固定されると準備の手間を省くことができます。何故なら対戦する左投手のデータだけを頭に入れれば済むからです。頭に入れて覚えるべきことが減るのでそれだけ準備がしやすくなります。

現実の仕事でも役割が固定されたほうが負担はかなり減ります。仮にあなたが出社するたびに「今日は営業、明後日はデザイナー」と毎日、役職が違ったら大変じゃないですか?筆者は現実で似たようなことをされ、あまりにも混乱してしまったので退職した経験があります。

左右で起用される選手は絶対的な選手ではない

投打の左右に併せて起用される選手で確かなことは毎試合、フル出場する価値を認められてないということです。例えば全盛期のイチローさんでしたら、投手が右でも左でもスタメンに名前が並ぶでしょうね。

若いチーム、弱いチームほどファンやマスコミから「左右病」と言われることが多いでしょう。理由は投打の左右を意識した起用法から抜け出せるだけの絶対的な主力が存在しないからです。

データをしっかりと把握していない起用が問題

投打の左右に併せて起用されることは戦術の1つとしてメリットが確かにあります。それでも「左右病」とボヤかれる原因は指揮者がデータをしっかりと確認できてないことが考えらます。プロ野球では右打者でも極端に左投手が苦手な場合もあります。それこそインターネットが普及している現代でしたら無料でみられる範囲のデータでも1分以内に簡単に把握できます。相対的な力量差を無視して、「君は右打者から、左投手への代打」と役割を固定したところで結果はでません。役割を過信した起用してしまう行為が問題なのでしょうね。

結論、何事も客観的な数字を判断に付け加えましょう

他にもプロ野球の監督は「回跨ぎ」「マシンガン継投」「聖域」「エンドラン病」「バント病」「上位打線軽視」などといろいろと批判をされることがありますが、本記事のウケがよかったら書こうかと思います。また野球を題材にした記事を書くと思いますので引き続きよろしくお願いします。

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